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東京で三世代が「自然と共に生きる住まい」を目指して


今回は「家を建てることになった経緯」についてお話します。

家の概要と暮らしのかたち


  • 場所: 東京西部・妻の実家の敷地内

  • 居住する家族: 親世帯2人+子世帯4人の6人暮らし

  • 建物の形態: 一棟二戸のメゾネット型・二世帯住宅

  • 設計の特徴: 伝統工法・土壁・高断熱・創エネ

  • 工期予定: 2024年10月~2025年9月

二世帯同居を選んだ理由と建築のきっかけ


建築に至った背景には、家族の暮らしと将来をめぐるたくさんの検討がありました。

もともと、8年前に第二子の誕生をきっかけに、妻の実家に住まわせていただくことになりました。
転居前に祖父母がかつて暮らしていた1階をリフォームさせてもらい、私たち子世帯が1階、親世帯が2階という形で生活を始めました。

当時も、夫婦共にフルタイム勤務で、育児と仕事を両立させるにあたって、ご両親のサポートにとても助けられました。

 

実は二世帯居住中、ずっと、自然豊かな地方への移住を検討していたのですが、
・仕事の都合
・建築費や土地代の高騰
・将来的な介護の可能性

といった現実的な要因から、踏み切れずにいました。

 

 

一方、ご両親は70代に差しかかり、今後2階での生活が難しくなることを考慮し、建て替えの検討を始めていました。
そうして、二世帯でこの地に腰を据えて新たな住まいを築くという選択をするに至りました。

相続と暮らしの両立を見据えた家づくり


今回の家づくりは、「暮らしやすさ」だけでなく、世代間の支え合い相続のことも見据えたプロジェクトです。

 

① 世代間の支え合いとしての二世帯同居

これまで親世帯に育児を助けてもらってきた私たち。
将来的には立場が逆転し、私たちが親の生活を支えるようになる日が来るでしょう。

そんなとき、一棟二戸の住まいは「ちょうどよい距離感」で支え合えるかたちだと感じています。
また、将来、住まいをスライドして、自分達が健在の間に子どもに家を引き継げることもうれしいと思っています。(嫌がられるかもしれませんが…笑)。

 

② 金銭面でのメリット

  • 土地を購入せずに済むことで、その分の資金を建築費に充てられる

  • 相続時に小規模宅地の特例が使えることで、相続税の大幅な軽減が期待できる

※「小規模宅地の特例」については、下記の記事で詳しくご紹介しています。

親が首都圏などに土地を持っている方や、一人っ子で相続を単独で行う可能性のある方、二世帯住宅を検討している方はぜひご覧ください。

家を建てる前に確認!将来の相続に備える「小規模宅地等の特例」とは?

 

 

もちろん、二世帯での暮らしには気を遣うこともありますが、
この家が、「二世帯がそれぞれ自立しながら支え合える場所」になればと思っています。

私自身の家づくりの背景と経験


今回の家づくりには、私がこれまで仕事を通して得てきた知見や経験をたくさん詰め込んでいます。

 

① 自然素材の家づくりに携わってきた経験

無垢材、漆喰、金属、ガラスなど、再生産・再利用可能な素材を用い、化学建材を極力使わない住まいづくりをしてきました。
そのようにつくった家ならではの心地よさ、空気の清らかさには毎回驚かされてきました。

間違えなく、住む人の健康も増進していると思います。

 

② 環境再生型の造園・土木経験

ただ美しいだけでなく、土地そのものの呼吸を取り戻すような「環境再生型の庭づくり」に取り組んできました。
強風で土ぼこりが舞ったり、雨でぬかるんだりする場所を、心地よい森のような空間に変える現場をいくつも経験しています。

 

③ ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザーとしての知見

予算設定や住宅ローン、補助金、税制など、お金の面の知識も積んできました。

 

それらの知見・経験を総動員して今回の家づくりを進めています。

最後に


この家は、私自身のこれまでの経験や思いが詰まった住まいです。
そしてこの家づくりを通じて、「都市で三世代が共に暮らし、自然ともに生きる住まい」を実現したいと考えています。

 

これから少しずつ、この家の設計・素材・工法・設備・暮らし方などについて、具体的にご紹介していく予定です。
ご興味のある方は、ぜひまた覗いてみてください。